BASIC隠し命令
Z-1/FX-890Pにはマニュアルに載っていない命令がいくつか存在しています。
ここではそんな命令たちを紹介します。
※本書はZ-1/FX-890P用の資料に基づいて書かれたものなので、これが必ずしも全てZ-1GRに対して有効であるとは限らない、という点に注意してください。
- SYSTEM *
これは本来システム関係の設定や容量等を調べる命令ですが、「SYSTEM
*」と入力する事でデバックモードに入れます。
デバックモードではLCDやメモリ等のチェックを行う事が出来ますが、中にはメモリ内容を消去してしまう項目もあるので使用の際は注意が必要です。
- MODE n
マニュアルには4〜8の範囲しか説明されていませんが、実はこれ以外にもいろいろと有用な機能を持っていたりします。
特にグラフィック関係の機能(50〜56)は利用価値大です。
- MODE
10
四則演算後のまるめ処理を行う。
- MODE
11
四則演算後のまるめ処理を行なわない。
- MODE
30,n
n=0〜15
値が大きくなるほど遅くなる
30Pin拡張端子の入出力時のウェイト数を指定する。
拡張端子に接続されたハードウェアの処理速度が遅くてポケコン側の処理速度に追従できないときに使用します。
- MODE
40,n
n=0〜255
[秒]
プリンタ出力時のタイムアウト時間を設定する。
- MODE
41,n
n=0〜255
[秒]
RS-232Cの受信タイムアウト時間を設定する。
- MODE
42,n
n=0〜255
[秒]
RS-232Cの送信タイムアウト時間を設定する。
- MODE
50,(SX,SY)-(EX,EY)
SX,SY=開始座標
EX,EY=終了座標
指定された二点を対角線とする四角形を作画します。(つまりBOX命令)
- MODE
51,(SX,SY)-(EX,EY)
SX,SY=開始座標
EX,EY=終了座標
指定された二点を対角線とする四角形に相当する部分を消去します。
- MODE
52,(X,Y),r
X,Y=中心座標
r=半径
指定位置に円を作画します。(つまりCIRCLE命令)
- MODE
53,X,Y
X,Y=指定座標
指定座標を含む閉鎖領域を塗りつぶします。(つまりPAINT命令)
- MODE
54,(SX,SY)-(EX,EY)
SX,SY=開始座標
EX,EY=終了座標
指定された二点を対角線とする領域のドットイメージをメモリに取り込む。(GET命令?)
これを実行するにはメモリのフリーエリアが1540バイト以上必要になります。
なお、同時に複数個のイメージを持つことは出来ないので使用するときにはちょっとしたコツが必要かも。
- MODE
55,(SX,SY)-(EX,EY)
動作はMODE 54と同じですが、ドットイメージを取り込んだ後にその領域を消去します。
- MODE
56,(X,Y)
X,Y=指定座標
MODE
54やMODE 55で取り込んだドットイメージを指定座標に展開する。(PUT命令?)
座標はドット単位で指定できますが、展開するドットイメージが画面からはみ出るとエラーになります。
- MODE
60,var1,var2
var1,var2=同じ型の変数
二つの変数の内容を入れ替える。
- MODE
61,[P][F][PF]
P=プログラムエリア
F=ファイルエリア
PF=両方
プログラムエリアやファイルエリアの内容をすべて消去する。
- MODE
62,xx,xx …
xx=アスキーコードを16進数表記したもの
(頭に&Hは付けない)
指定されたコードをキーバッファに格納する。
格納できる文字数は16文字までです。
- MODE
212
RS-232Cの通信速度を19200bpsに設定する。
ただしF.COMの通信機能では19200bpsに追従できません。19200bpsに追従するためには独自の通信ドライバを書く必要があります。
- MODE
220,SX,SY,EX,EY
SX,SY=開始座標
EX,EY=終了座標
キャラクタの表示領域を設定する。
これ以後、設定した範囲外には文字を表示する事が出来なくなります。(WIDTH命令みたいなもの)
- MODE
230,n
n=0〜9 P0〜P9に対応
指定されたプログラムエリアの格納アドレスを表示する。
- MODE
231,n
n=0〜9 F0〜F9に対応
指定されたファイルエリアの格納アドレスを表示する。
- MODE
232,n
n=0〜9 P0〜P9に対応
指定されたプログラムエリアのチェックサムを表示する。
- MODE
233,n
n=0〜9 F0〜F9に対応
指定されたファイルエリアのチェックサムを表示する。
- POKE xxxx,n
これは隠し命令ではないのですが、この命令を使ってシステムエリアを書きかえる事で特殊なことを実行できます。
- POKE
&H16BB,PEEK(&H16BB) OR &H80
文字セットを海外仕様に変更します。
- POKE
&H16BB,PEEK(&H16BB) AND &H7F
文字セットを日本仕様に変更します。
- POKE
&H16E2,255
パスワードの強制解除。
- POKE
&H16F7,n
オートパワーオフまでの時間を分単位で設定する。
ちなみに0を指定すると直ちにパワーオフされます。
- POKE
&H1775,PEEK(&H1775) OR &H20
これ以後画面に表示される文字は反転表示されます。
- POKE
&H1775,PEEK(&H1775) AND &HDF
反転表示の解除。
- POKE
&H178B,PEEK(&H178B) OR &H02
キークリック音を鳴らす。
- POKE
&H178B,PEEK(&H178B) AND &HFD
キークリック音を消す。
NIFTY-Serve
YHW02344
村中 昭雄(STEAR)