クロノビット バッテリー交換手順


クロノビットのメーカー修理は2008年7月12日をもって終了してしまいました。
そこで、ここではクロノビットの補修を自力で行う為にバッテリーの交換手順について解説します。

なお、これ以降の手順を行った場合にクロノビットおよびその他に何が起きたとしても当方は一切補償は行えません。
実行の際には各自の責任の上に行ってください。

1.注意事項

バッテリー交換を行うとユーザーデータは消滅しますので、予めPC側に退避させるなどしておいてください。
また、ユーザーデータの内容は消滅していてもデータエリアは確保されたままになっているため、バッテリー交換後にBootMenuよりDelete applicationを実行する必要があります。
BootMenuは6個のボタンを同時に押し続けると表示されます。

一方で祝祭日と定型語のデータはそのまま残存します。

2.用意するもの

交換用バッテリーは本来US2025を使うべきですが、現在では入手困難なので代りにLIR2025を使います。
ただし、このバッテリーは電圧が少し違っている(US2025は3.3V、LIR2025は3.6V)のでクロノビットの電圧残量表示が当てになりません。
これの運用方法の目安については後記する「4.LIR2025について」を参照してください。

ニッパーはタブ無しのバッテリーが入手出来るのなら必要はありません。

中央にあるバンド交換冶具はバッテリー固定金具を外すのに使用します。

※2013/12/01追記
 ここでUS2025を購入可能なようです。

3.分解/交換手順

まず、裏蓋を固定している4本のネジを外します。
メガネ用とかの精密ドライバーを使って外しましょう。
裏蓋の裏にある四角い凹みはバイブレーションモーターのおもりがぶつからないように作られています。
組み立てるときは裏蓋の向きに注意!
内部のモジュールは固定されていません。
引っ張れば簡単に外れます。
誘導コイルは固定されていませんが、ピンク色の緩衝材でくっついていると思います。
端のほうからやさしくゆっくりと剥がしていきましょう。

バッテリーは警告シールが貼られている金具で固定されているので、矢印の位置の足を外し、金具を外します。
側面からバンド交換冶具の細い方を差込み、金具の足を外側に反らせます。
ツメより外側に反らせられれば足は外れます。
バッテリーにタブが付いている場合は途中で切り落としてください。
タブを外しても良いですが、その時はバッテリーの外装を変形させないように注意すること。

このときに+極と−極をショートさせるとバッテリーに障害が発生する場合があるので十分注意してください。
最悪、後々爆発する可能性すらありえます
バッテリーの向きは上側が+極になるようにします。
タブ付きの場合は下部の電極とタブが合う向きにしないと接触不良になります。

両サイドの電極が少々邪魔になりますが、これを曲げると接触不良になるので注意してください。
バッテリー固定金具をセットします。

最後に矢印の位置の電極がバッテリーの側面に当たっている事を確認してください。
バッテリーの上に来ている場合は必ず側面に移動させること。

この時点で液晶表示が出ていない場合は側面の4箇所の電極を同時押ししてリセットしてみてください。
それでも表示されない場合はバッテリーの接触不良かもしれないので金具を外す所からやり直してみてください。

後は逆の手順で組み立てていけばOKです。
向きとかを間違えないように注意して組み立てましょう。

4.LIR2025について

LIR2025をクロノビットで使用する場合は過放電に注意する必要があります。
本来、クロノビットは3.3V系のリチウムイオンバッテリーを使用する事を前提とした設計になっているため、3.6V系であるLIR2025を使用する場合はバッテリーログの表示で60%に達したら充電を行うようにしてください。
40%まで下がってしまうと過放電となる危険が高いです。
(標準のバッテリーメータ表示だと、フルチャージ状態から1段下がった時点が60%に相当します。)
40%に達したからといって直ぐに過放電となるわけでは無いのですが、少なくとも60%になってから2〜3日以内を目安に充電するのが良いと思います。

クロノビットで充電を行った場合、定格電圧の違いからLIR2025をフルチャージすることは出来ません。
せいぜい全容量の6〜7割ほどの容量しか充電できませんが、それでも内蔵時計モードで使用した場合は2週間程度は持ちます。
逆に考えると、こまめに充電を行っても内部電圧の余裕が結構あるのでバッテリーの劣化を心配する必要はあまり無いと言えるかもしれません。

バッテリーが過放電になった場合は充電しても2〜3日で60%以下まで電圧が下がってしまうようになります。
こうなった場合は危険ですから速やかにバッテリーを廃棄してください。


因みにこちらで試した実験ではクロノビットが充電終了した時のバッテリー電圧は3.89V(100%)、その後1日で3.81V(80%)まで下がり、14日後に3.63V(60%)に達するという電圧変移をとりました。

実際に運用した際の実績を記しておきますので参考にしてください。

充電回数 持続期間 補足
14日
10日
9日
6日 寒かったから?
19日 !?
11日
4日
4日
7日
10 3日 人肌程度に暖めつつ充電してみる(大した効果は無いか…)